【タンパク質を摂ると浮腫みが減る?】
- 陽正 橘山
- 10 分前
- 読了時間: 8分
「最近、顔がパンパン…」その原因、タンパク質不足かもしれません。
「朝起きると顔がむくんでいる」
「夕方になると靴がきつい」
「体重が1〜2kg増えたと思ったら、翌日には戻っている」
「ダイエットを始めたら、なぜか疲れやすくなってきた」
もし、これが「え、これ自分のことだ…」と思ったなら、少しだけ食事を振り返ってみてください。『特に見直したいのが、タンパク質です。』
実際にパーソナルトレーニングの現場でも、
「タンパク質を意識して摂るようになったら、
なんとなく浮腫みが減った気がする」
という声を聞くことがあります。
では、タンパク質と浮腫みの関係性は?
結論から言うと、
「タンパク質を食べれば浮腫みが取れる」という単純な話ではありません。
ただし、タンパク質不足は身体の状態によっては浮腫みに関係する可能性があります。
そして、ダイエット・筋トレ・健康・美容を考えるうえでも、タンパク質は非常に重要な栄養素です。今回は、浮腫みの原因から、タンパク質の摂り方まで、できるだけ分かりやすく解説します。
01|「浮腫み=水を飲みすぎ」は間違い?
まず知っておきたい、浮腫みの正体
浮腫み(むくみ・浮腫)とは、簡単にいうと体内の水分が組織の間に余分にたまった状態です。
血管の中と外では、常に水分が行き来しています。
この水分移動には、
血管内の圧力
血液中のタンパク質による浸透圧
血管の透過性
リンパの流れ
腎臓によるナトリウム・水分調節
など、さまざまな要素が関係しています。 (サイエンスダイレクト)
つまり、
「水を飲んだから浮腫んだ」
とは限りません。
むしろ、
「水分をあまり飲まない」
「塩分の多い食事が続く」
「長時間座りっぱなし」
「立ちっぱなし」
「運動不足」
「睡眠不足」
「月経周期」
「アルコール摂取」
など、複数の要因が重なっていることもあります。
02|浮腫みには「種類」がある
朝の顔と、夕方の脚は同じとは限りません
一言で「浮腫み」と言っても、原因はさまざまです。よくあるのが「生活習慣による浮腫み」
例えば、
朝の顔がむくむ人
→ 前日の塩分・アルコール・睡眠・水分バランスなどが影響している可能性があります。
夕方に脚がむくむ人
→ 長時間の座位・立位による重力の影響や、下肢の循環・リンパ還流などが関係することがあります。
旅行後に靴がきつい人
→ 長時間の移動で身体を動かす機会が減ったことなどが影響することがあります。
一方で、心臓・腎臓・肝臓の病気、静脈やリンパ系の問題、薬剤などが原因となる浮腫みもあります。 (サイエンスダイレクト)
そのため、
「浮腫んだからタンパク質を増やせばOK」
とは考えないことが大切です。
特に、
急に強く浮腫んだ
片脚だけ明らかに腫れている
息苦しさや胸痛がある
浮腫みが長期間続く
原因が思い当たらない
といった場合は、自己判断せず医療機関への相談をおすすめします。
03|ここが本題。「タンパク質」と浮腫みの関係性
タンパク質は身体の“材料”だから
では、なぜ「タンパク質を摂ったら浮腫みが減った気がする」ということが起こるのでしょうか?
ポイントになるのが、アルブミンです。
アルブミンは血液中に多く存在するタンパク質で、血管内に水分を保つことに関係しています。
血液中のタンパク質が著しく低下すると、
血管内の膠質浸透圧が低下し、組織側へ水分が移動しやすくなって浮腫みにつながることがあります。 (Merck Manuals)
ただし、ここは誤解しないでください。
「昨日タンパク質を食べなかったから、今日アルブミンが下がって浮腫んだ」
という単純な話ではありません。
通常の健康な人の場合、浮腫みの原因はもっと複合的です。
むしろ日常生活では、
「ダイエットだから食事量を減らす」
↓
「肉・魚・卵などの主菜も減る」
↓
「タンパク質の摂取量が不足する」
↓
「筋肉量や活動量が落ちる」
↓
「結果として身体のコンディションが崩れる」
という流れに注意したいところです。

04|「ダイエット中、タンパク質を減らしていませんか?」
体重だけを追うと、身体の中身を見失う
例えば、40代女性のAさん。
「痩せたいから夕食を抜く」
「朝はコーヒーだけ」
「昼はパンだけ」
「夜は野菜中心」
一見すると、かなり頑張っています。
ところが、よく見るとタンパク質がほとんどありません。
ここで重要なのは、
体重を減らすことと、身体を良い状態にすることは同じではない
ということ。
ダイエットでは、脂肪だけを落とせれば理想ですが、食事量を極端に減らすと筋肉などの除脂肪量も落ちやすくなります。
一方、タンパク質は筋肉の維持・増加に必要な栄養素。筋トレと組み合わせることで、筋タンパク質合成を刺激することが知られています。 (PubMed Central (PMC))
つまり、
「食べないダイエット」より「必要なものを食べて動く」ほうが、長期的には身体づくりを続けやすいのです。
さらに、タンパク質は満腹感にも関係するため、ダイエット中の食事設計でも重要な存在です。
05|じゃあ、1日あたりどれくらい摂ったらいい?
「健康」「ダイエット」「筋トレ」で考え方を変える
ここが一番気になるところですよね。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人のタンパク質推奨量は、
男性:18〜64歳で65g/日
女性:18歳以上で50g/日
が基本的な推奨量として設定されています。 (甲府市公式サイト)
ただし、これは「健康な成人が必要量を満たすための基準」
筋トレをしている人や、ダイエット中で筋肉を維持したい人では、体重あたりで考える方法もあります。
運動習慣のある人については、ISSN(国際スポーツ栄養学会)のポジションスタンドで、
1日1.4〜2.0g/kg体重
が、多くの運動習慣のある人の筋肉量の維持・増加に十分な範囲として示されています。 (PubMed Central (PMC))
例えば、
体重50kgの場合
健康維持の最低ラインを意識 → まず50g前後
筋トレ・身体づくり → 約70〜100g
体重60kgの場合
筋トレ・身体づくり → 約84〜120g
体重70kgの場合
筋トレ・身体づくり → 約98〜140g
もちろん、年齢・運動量・体脂肪率・総摂取カロリー・腎機能などによって適量は変わります。
「多ければ多いほど良い」わけでもありません。
06|「タンパク質100g」の意味を勘違いしない
肉100g=タンパク質100gではありません
ここも非常に多い勘違いです。
「今日は肉を100g食べた!」
だから、
「タンパク質100g摂れた!」
ではありません。食品100gの中に含まれるタンパク質量を考える必要があります。
例えば、
卵
魚
鶏肉
豚肉
牛肉
納豆
豆腐
ギリシャヨーグルト
牛乳
などを組み合わせることで、無理なく摂取できます。
そしておすすめなのが、1回の食事にまとめすぎないこと。朝にほぼゼロ、昼も少なめ、夜に一気に50〜60g……というより、
朝・昼・夜+必要なら間食
に分散するほうが実践しやすいでしょう。
運動する人については、1回20〜40g程度を目安に複数回摂取する考え方も示されています。 (PubMed Central (PMC))
浮腫みを改善するメリットは「見た目」だけじゃない浮腫みが続くと、
「脚が重い」
「靴がきつい」
「顔が大きく見える」
「体重が増えた気がする」
「身体がだるい」
など、日常生活でも気になることが増えます。
だからこそ、
浮腫みを“美容だけの問題”として考えない
ことが大切です。
適切な食事、十分なタンパク質、適度な運動、睡眠、塩分やアルコールの見直し。
こうした基本を整えることで、
身体を動かしやすくなる
筋肉を維持しやすくなる
ダイエットを続けやすくなる
身体のラインを整えやすくなる
「なんとなく重い」という感覚を減らせる
といったメリットにつながります。
今日からできる「浮腫み対策」は、意外とシンプル
まずは7日間だけ、次の4つを試してみてください。
① 毎食、タンパク質を1品入れる
卵、魚、肉、豆腐、納豆、乳製品など。
② 座りっぱなしを避ける
1時間に一度は立って歩く。
③ 水分を極端に制限しない
「浮腫むから水を飲まない」は逆効果になることもあります。
④ 塩分・アルコール・睡眠を見直す
特に「前日に飲み会があった翌朝だけ顔がパンパン」という人は、食事と生活習慣をセットで振り返ってみましょう。
まとめ|「浮腫んだから食べない」ではなく、「整えるために食べる」
タンパク質と浮腫みの関係は、
「タンパク質を摂れば浮腫みが取れる」
というほど単純ではありません。
しかし、タンパク質は筋肉や身体組織をつくる重要な栄養素であり、極端な食事制限によるタンパク質不足は避けたいところです。
そして何より大切なのは、
浮腫みだけを見て食事を変えないこと。
「最近、顔がむくむ」
「夕方になると脚がパンパン」
「ダイエットしているのに身体が重い」
「筋トレしているのに身体が変わらない」
もし一つでも当てはまるなら、食事・運動・睡眠・生活習慣をまとめて見直してみる価値があります。
ナトゥーアジムでは、体重だけではなく、食事・運動習慣・身体の状態を含めて、一人ひとりに合わせた身体づくりをサポートしています。
「自分の場合、タンパク質は何g必要?」
「今の食事で足りている?」
「浮腫みなのか、体脂肪が増えたのか分からない」そんな疑問でも大丈夫です。
まずは一度、自分の身体を一緒に整理してみませんか?
「これって浮腫みですか?」くらいの相談からでも構いません。
身体が変わるきっかけは、厳しい食事制限ではなく、自分の身体を正しく知ることから始まります。
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参考文献
厚生労働省・「日本人の食事摂取基準(2025年版)」 (国立感染症研究所)
Antonio J, et al. International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise. Journal of the International Society of Sports Nutrition. 2017. (PubMed Central (PMC))
Kerndt CC, et al. Physiology, Edema. StatPearls, NCBI Bookshelf. (NCBI)
Etiology and Management of Edema: A Review. Advances in Kidney Disease and Health. 2023. (サイエンスダイレクト)
Merck Manual Professional Edition. Edema. (Merck Manuals)
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